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書籍紹介

今月のお薦め書籍

『数学いらずの医科統計学 第2版』

【著】ハーベイ・モトルスキー 【訳】津崎晃一【出】メディカル・サイエンス・インターナショナル(2011/03)

日本は統計学の後進国だ。日本で書かれた統計学の本を読んでいると、例えば、2群の母平均の差の検定であれば、まず正規性の検定を行い正規分布かどうか確認し、次に、等分散性の検定を行い等分散性が棄却されなければ一般のt検定、棄却されたらウェルチの方法を用いるというようなことが書いてある。この手続きでは、検定の多重性問題が生じるため推奨しない研究者もいるのだがそこまで触れている本は少ない。
欧米誌への論文投稿を考えているのなら、自分の知ってる統計学が世界にも通用するのか、本書を読んで確認しておいた方がいいだろう。



◆エクセル統計を使用している統計学の入門書◆

『入門 統計学 −検定から多変量解析・実験計画法まで−』

【著】栗原伸一
【出】オーム社(2011/07)

詳しい内容は出版社のサイトから詳細目次を見ていただければと思いますが、序盤が統計学の基礎理論、中盤が各種検定手法と実験計画法、終盤が多変量解析という構成です。「これ一冊で統計学全般を学ぶことができる!!」と謳っているだけあって入門書としてはかなり広範にわたって書かれています。

後半のExcelでは無理がある統計手法については、「エクセル統計2010」と「SPSS Statistics 19」(SPSSは現在はIBM社の製品です。2011年秋に20にバージョンアップします)を用い、それぞれのソフトでどのようなことができ、どのような違いがあるかまで解説があります。演習問題のデータは出版社のサイトからダウンロードできますから、ソフトがあれば実際に問題を解いて理解を深めることができます。

「最適な多重比較法の選び方」、「最適なノンパラの選び方」というように複数の手法があるジャンルでは、フローチャートを用いてどの手法が適しているかが一目で分かるようになっています。実用に際しての気配りが随所にあり、読了後も手放せない一冊になるでしょう。


『心理学データのエクセル統計』

【著】深谷澄男, 喜田安哲, 伊藤尚枝
【出】北樹出版(2011/06)

全編で「エクセル統計2010」を利用し、心理学データの統計処理を解説しています。恵泉女学園大学で心理学を学ぶ大学2年生向け講義用テキストとして書かれています。「第1部 データ処理の基礎」、「第2部 実験データの統計」、「第3部 調査データの統計」の3部構成です。
目次を見ていただければ分かるように、よくある統計手法の使い方だけを解説した本ではありません。Excelへのデータの入力の仕方やグラフや統計量による結果の要約方法、データを集める前に理解しておくべき実験計画や質問紙の作り方などにも解説が及んでいます。
Excelも統計も初心者という方を対象にしており、かなり細かい操作手順まで書かれています。講義用のテキストなので専門家の補足が欲しくなるところもありますが、統計学とエクセル統計の独習書として利用できます。データ分析の勉強会やワークショップのテキストを探している方にも是非どうぞ。


『わかって楽しい心理統計法入門 Ver.2―EXCEL、エクセル統計、ANOVA4 on the web対応』

【著】松田 文子、三宅 幹子、橋本 優花里
【出】北大路書房(2012/09)

福山大学の心理学の先生方が書かれた統計法の入門書です。全編が、統計手法の基本的な考え方を解説してはサブタイトルの3つのソフトを使って例題を解く、というスタイルになっています。あとがきによると、実際にこの本を使って、講義90分と演習90分を組み合わせ、30回の授業で、心理学科2年生に統計を教えているそうです。

統計学もエクセル統計も初めてという方は、この本を手にとって、実際にエクセル統計を使ってみることをお薦めします。初版はエクセル統計2004でしたが、Ver.2でエクセル統計2010を使用した解説となりました。現在、最新バージョンはエクセル統計2012ですが、入門書として十二分に活用できます。


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現場の統計学シリーズ
『このとおりやればすぐできる ナースのためのデータ処理』

【著】坪井 博之
【出】技術評論社(2011/01)

現在、経営総合診断士として、医療関係、看護関係を中心にコンサルタントをされている坪井博之氏による著書です。アンケートの作り方から、エクセルによるデータの入力と集計、エクセル統計を利用したデータの分析までを解説しています。
「数字が苦手」、「エクセルや統計ソフトの操作が分からない」、「統計学の知識がない」といった方が対象です。例題を解きながら身につけていくスタイルで、例題のデータは出版社のサイトからダウンロードできます。
本の中で使用されているソフトのバージョンはExcel2007とエクセル統計2006です。どちらも現在は新しいバージョンが出ています。


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◆中級編◆

『もう悩まない! 論文が書ける統計』

【著】清水 信博
【出】オーエムエス出版(2004/09)

著者によりますと「本書は統計でお困りの医学・生物学研究者の方に向けた本です」とのこと。

統計を使うのが主に実験データの検定のためで、検定手法の使い分けに悩んでいらっしゃる方にとっては、とても役に立つ本です。英語での論文記述については、手法それぞれに例文が示されています。
ノンパラメトリックの多重比較など手法によってはExcelだけを使った計算方法の解説もあり、同じ出版社のStatcel2を利用されている方には特にお薦めします。


『統計的多重比較法の基礎』

【著】永田 靖、吉田 道弘
【出】サイエンティスト社(1997/11)

多重比較だけに焦点を絞って、各手法の原理や手法間の違いが分かる本。パラメトリックな多重比較だけでなく、ノンパラメトリック法についても説明されている。


『統計ライブラリー サンプルサイズの決め方』

【著】永田 靖
【出】朝倉書店(2003/09)

検出力に基づく、適切なサンプルサイズの設定方法を学ぶことができる一冊。


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『検定力分析入門』

【編著】豊田 秀樹
【出】東京図書(2009/11)

検定の結果出力されるP値は、第1種の過誤の確率(α)、本当は統計的に有意でないのに帰無仮説を採択してしまう確率を表しています。一方、対立仮説が正しいはずなのに検出できない確率、第2種の過誤の確率(β)については出力されないので忘れ去られがちです。βを考えるときは、1-β、すなわち有意であるときに正しく検出できる確率に置き換えます。この1-βのことを、検定力、または、検出力と呼びます。検定力分析(Power Analysis)は、実験を正しく、効率的に行う上で重要な役割を果たします。本書は検定力分析の入門書です。

検定力分析には、実験に先立って十分な検定力を得るには幾つnが必要かを検討するための「事前の分析」、実験後に実験の検定力がどれだけであったのかを確認する「事後の分析」、実験結果を踏まえて次の実験を計画するときに行う「明日への分析」の3つの分析があります。本書では、2群の差の検定、相関係数の検定、分散分析など幾つかの検定を取り上げ、3つの検定力分析をどのように行うか解説しています。


『実用SAS 生物統計ハンドブック』[SAS8.2およびSAS9.1対応]

【監】浜田知久馬
【執筆】臨床評価研究会(ACE)基礎解析分科会
【出】サイエンティスト社(2005/04)

臨床評価研究会が作った臨床試験データ解析のためのハンドブック。実務者が書いているので事例が具体的。各手法の説明は2ページ前後とコンパクトながらも、手法の概要から解法まで知ることができる。SASユーザーだけでなくエクセル統計のユーザーにとっても重宝する一冊。


『「逆」引き統計学−実践統計テスト100』

【著】G.K.カンジ
【訳】池谷 裕二, 久我 奈穂子
【翻訳協力】田栗 正章
【出】講談社(2009/05)

原題は「100 STATISTICAL TESTS」。100通りのケースに分け、ケースごとに検定法を1個紹介している。さすがに100個もあるとマルディア−ワトソン−ウィーラー検定といった今まで耳にしたことのない方法も紹介されている。ケースは類似性に基づき並んでいるので、自身が抱えている課題に該当するケースだけでなく、その前後のケースについても読んでおくと知識の幅が拡がる。

訳者序文にもあるように、現実的には「これこそが最良だ」という検定法はない。本書を活用する際は、本書に書かれている検定法だけが唯一ではないし、現在でも新しい検定法が次々と開発されていることを頭の片隅に置いて読むと良い。


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◆統計のための数学◆

『多変量解析入門―線形代数から多変量解析へ』

【著】足立 堅一
【出】篠原出版新社(2005/12)

タイトルを見ると多変量解析の手法を解説した本かと思ってしまいますが、内容は線形代数が多変量解析にどのように繋がっていくのかを解説した本です。
多変量解析の専門書を読破したくとも、書いてある数式が何を意味しているのか分からないというときは、この本を先に読んで見てください。


『ゼロから学ぶ線形代数』

【著】小島 寛之
【出】講談社(2002/05)

完全独習 統計学入門』の著者でもある小島寛之先生が書かれた線形代数の入門書です。
統計学に詳しい人にどうやって統計学を勉強したらよいかを聞くと「まず線形代数を勉強しなさい」と言われます。実際に線形代数を勉強してみると、検定や多変量解析が一体何をしようとしているのか、視覚的なイメージで理解できるようになります。手法間の共通点や違いも分かってきて、統計学の勉強がかなり楽になります。
数ある線形代数のテキストの中でも、この本は、統計学の理解のために線形代数を学ぶ人を対象にしており、文系出身者でも独力で読み進められます。


ゼロから学ぶ微分積分

【著】小島 寛之 【出】講談社(2001/04)


『統計学のための数学入門30講』

【著】永田 靖
【出】朝倉書店(2005/03)

統計学を理論から学びたいという人のための数学のテキスト。線形代数と微積分について解説されている。


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◆テキストマイニング◆

『人文・社会科学のためのテキストマイニング』

【著】村松 真宏, 三浦 麻子
【出】誠信書房(2009/10)

著者が開発したTinyTextMiner(TTM)に、MeCab、CaboCha、OpenOffice、R、Wekaとすべてフリーソフトだけを使って、どこまでテキスト・マイニングができるか解説しています。
書いてあることを追体験するにはかなりの時間を要するため、まだ、実際に試してはいませんが、フリーソフトがかなりのレベルに達していることはよく理解できます。


『テキストマイニングを使う技術/作る技術―基礎技術と適用事例から導く本質と活用法』

【著】那須川哲哉
【出】東京電機大学出版局 (2006/11)

テキストマイニングに何を期待してよいのか良く分かる一冊。

テキストマイニングをやってみたいと思っても、どこから手をつければ分からない人も多いと思います。この本では、テキストマイニングとは何かという事から、理想的な使い方、限界にいたるまで、事例を絡めながら分かりやすく解説しています。
この本を読むと、すぐにでもテキストマイニングを試してみたくなると思います。


『福祉・心理・看護のテキストマイニング入門』

【編著】藤井 美和, 李 政元, 小杉 考司
【出】中央法規 (2005/7)

茶筅をダウンロードしてみたけど、使い方がよく分からなかったという方にお薦めします。


『意見分析エンジン −計算言語学と社会学の接点− 』

【著】大塚裕子、乾 孝司、奥村 学
【出】コロナ社 (2007/10)

このところ、ブログにおける評判分析など、コンピュータによるテキスト解析の成果を目にすることが多くなってきました。本書では、このような技術の基盤となっている方法論や具体的な分析手続きについて述べています。一見するとかなり専門的な印象を与えますが、後半では具体例をあげての解説もあり、門外漢であっても理解可能な記述となっています。
テキストマイニングの裏側にどのような理論的背景や仕掛けがあるのか興味をお持ちの方は、是非、ご一読ください。



◆ベイズ統計学◆

『ベイズ統計学入門』

【著】渡部 洋
【出】福村出版(1999/09)

難解、とっつきにくいというイメージがあるベイズ統計学ですが、この本から入れば ベイズ推測の基礎をじっくり学ぶことができます。


入門ベイズ統計―意思決定の理論と発展

【著】松原 望 【出】東京図書(2008/06)


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◆リスク評価◆

データサイエンスシリーズ9
『環境と健康データ - リスク評価のデータサイエンス』

【著】柳川 堯
【出】共立出版(2002/06)

毒性物質のリスク評価では、第T種の過誤は「毒性がないのに毒性を検出してしまう」、第U種の過誤は「毒性があるのに毒性を検出できない」ということになります。通常の検定では第I種の過誤が消費者危険、第II種の過誤が生産者危険ですが、リスク評価では消費者危険と生産者危険が入れ替わります。したがって、通常の検定と同じようにp値に重きをおいてリスク評価してしまうと消費者危険を見逃す可能性があります。本書では、この違いを踏まえつつ、リスク評価に統計的手法をいかにして用いるか、具体例を交え丁寧に解説しています。


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◆品質管理◆

『品質管理のための統計手法 』(日経文庫)

【著】永田 靖
【出】日本経済新聞社(2006/01)

新書サイズながら、統計学の基礎から、実験計画、多変量解析、タグチメソッドまで解説している。すでに品質管理の実務を経験され、ステップアップを目指している方にとって、様々な統計手法を学ぶ上での導入書となるよう構成されている。


『Excelでできるタグチメソッド解析法入門』

【編著】広瀬 健一、上田 太一郎
【出】同友館(2003/01)

タグチメソッドの入門書。Excelの分析ツール(回帰分析)を使ってSN比を計算する方法を説明している。損失関数やMTシステムについての記述はない。
なお、同じシリーズの本に『Excelでできる統計的品質管理入門 』があり、こちらは Excel の分析ツールを利用した統計的品質管理(SQC)の入門書となっている。



◆官能評価・官能試験◆

『Excelでできる統計的官能評価法 』(CD-ROM付)

【編著】長沢 伸也
【著】川栄 聡史
【出】日科技連出版社 (2008/07)

官能評価に用いる統計手法の計算手順を、具体的な事例をあげ、Excelに1セルずつデータや式を入力していくところから結果を得るまでを説明した本。一対比較法については、芳賀、浦、中屋の3変法まで詳しく説明がある。
実際に自分でも計算してみたい方に向いている。ほとんどが手順に割かれていて、理論的な説明については不足感がある。統計学の入門書レベルの知識は別に身に付けておいたほうが良い。



◆人口統計学◆

『Excelで学ぶ人口統計学』

【著】和田光平
【出】オーム社(2006/09)

「普通出生率」、「総出生率」、「合計特殊出生率」と主な出生率だけでも3つあります。皆さんはこの違いが分かるでしょうか?人口統計学は人口推計のために発達した人口学の一分野です。本書は、日本最初の「人口論」の講義が設置された中央大学経済学部で「人口分析」を教えていらっしゃる和田光平先生が、講義の内容を書き起こされたものです。
本書では最初にあげた出生率などの基礎的な概念から、生命表からの平均寿命推移の予測など人口推計に必要な仮定値を得る方法、最後はコーホート要因法による将来人口の推計まで、すべてにExcelを使って計算例を示しながら分かり易く解説しています



◆統計学の歴史・読み物◆

『確率の科学史 −「パスカルの賭け」から気象予報まで−』

【著】マイケル・カプラン、エレン・カプラン
【訳】対馬 妙
【出】朝日新聞社(2007/03)

確率をキーワードに17世紀から20世紀までを自在に旅している。博打、保険、審判など、統計学ではなく生活者の視点からの章立てになっており、エピソードが豊富で、読み物として楽しめる。


『統計学を拓いた異才たち −経験則から科学へ進展した一世紀−』

【著】デイヴィッド・サルツブルグ
【訳】竹内 惠行、 熊谷 悦生
【出】日本経済新聞社 (2010/04)

フィッシャー、ネイマン、チューキー、コックスら、この本に取り上げられている人物は、日常的に統計を使う者にとって馴染みの深い名前ばかりだ。
コンピューターの無い時代に生まれたt検定や分散分析が、誕生から一世紀を経た現在でも使われ続けていることに改めて感慨を覚える。
2006年にハードカバーが出版され、2010年に日経ビジネス人文庫となった。


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『ヤバい統計学』

【著】カイザー・ファング 【訳】矢羽野薫【出】阪急コミュニケーションズ(2011/03)


原題は NUMBERS RULE YOUR WORLD。現実世界に統計的思考をあてはめると何が見えてくるのか、5つのテーマについて2つずつ、次の10個の実話により解説しています。

交通渋滞とディズニーランドのファストパス(平均とばらつき)、O157の感染経路とクレジットカードの信用評価(因果関係と相関関係)、大学入試とハリケーン保険(グループ分けのジレンマ)、ドーピング検査とテロ対策(第1種の過誤と第2種の過誤の非対称性)、飛行機事故と宝くじ(極めて稀なことが起きるとは)

データサイエンティストの仕事を知る良本です。邦題だけで敬遠した方も是非読んでみてください。


『偽薬のミステリー 』

【著】パトリック ルモワンヌ
【訳】小野 克彦、山田 浩之
【出】紀伊國屋書店 (2005/08)


新薬の治療効果を判定する際、必ずプラセボ(偽薬)との比較を行います。このとき、二重盲検法といって、薬を投与される側だけでなく投与する医師にも、新薬と偽薬のどちらなのか分からないようにします。何故このような事をするのかというと、医師が薬として処方すれば、何ら効果の無い物質であっても治療効果がしばしば現れるからです。
名医が治療すると、他の医師とまったく同じ治療をしているのに治りが良いことがあります。これも、プラセボ効果が寄与しているのかもしれません。
著者のルモワンヌは、多くの治験に参加している精神科医で、神経科学博士です。本書では、ルモワンヌ自身の経験を含め数多くの事例をあげ、プラセボ効果の正の側面に光を当てています。


疑似科学と科学の哲学

【著】伊勢田 哲治 【出】名古屋大学出版会(2003/1)

ヤバい経済学 [増補改訂版]

【著】スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー 【訳】望月 衛 【出】東洋経済新報社 (2007/4)

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主催:社会情報サービス統計調査研究室

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