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エクセル統計2010 解析手法一覧

多変量分散分析

複数の特性値を同時に取り上げて、いろいろな因子の主効果や交互作用の影響を調べ、検定を行うのが多変量分散分析です。

共分散分析では、ある一つの特性値に関心があり、因子の効果の比較精度を上げるために他の特性値を利用しました。一方多変量分散分析は、複数の特性値に同様に関心がある場合に、特性値間の相関を考慮して因子の効果を検証する手法です。

多重比較

各因子についての多重比較を目的変数ごとに行うことが可能です。フィッシャーのLSD、シェッフェ(Sheffe)、ボンフェローニ(Bonferroni)、チューキー(Tukey)、ダネット(Dunnet)、ウィリアムズ(Williams)の6手法を利用できます。

単純主効果の検定

分散分析で特定の2因子の交互作用が有意であった場合の下位検定として単純主効果の検定を行うことができます。単純主効果とは、ある2因子について、一方の因子の各水準における他方の因子の主効果のことです。さらに単純主効果の多重比較を行うことも可能で、フィッシャーのLSD、シェッフェ(Sheffe)、ボンフェローニ(Bonferroni)、チューキー(Tukey)の4手法を利用できます。

分散共分散行列の等質性の検定(BoxのM検定)

等分散性の検定を多変量に拡張したものです。帰無仮説は、「すべての群で分散共分散行列が等しい」です。モデルに因子が複数含まれる場合、因子の水準組み合わせに対してそれぞれ分散共分散行列を計算し検定を行います。

多変量検定

一元配置の場合、総平方和積和行列 ST は、因子A間の平方和積和行列 SA と誤差平方和積和行列 Se を用いて以下のように分解できます。

ST = SA + Se

ここで、SASe に対して十分大きければ「因子Aの水準間に差がある」と言えます。しかし、行列の大きさを表す量はいくつかあり、しかもそれぞれ一長一短があるため優劣ははっきりしていません。

本製品では、Pillai(ピライ)の対角和(トレース)、Wilks(ウィルクス)のラムダ、Hotelling-Lawley(ホテリング・ローリー)の対角和、Roy(ロイ)の最大根を出力します。

データ例

太枠で囲まれたセル範囲をダイアログに設定します。

参考文献

  • 安藤 貞一, 朝尾 正, "実験計画法演習", 日本科学技術連盟, 1968.
  • アラン・グラフェン, ロージー・ヘイルズ, "一般線形モデルによる生物科学のための現代統計学―あなたの実験をどのように解析するか", 共立出版, 2007.
  • 広津 千尋, "分散分析", 教育出版, 1976.
  • 広津 千尋, "実験データの解析―分散分析を超えて", 共立出版, 1992.
  • 石村 貞夫, "分散分析のはなし", 東京図書, 1992.
  • Lynne Edwards, "Applied Analysis of Variance in Behavioral Science", Chapman and Hall/CRC, 1993.
  • Michihiro Yoshida, "Exact probabilities associated with Tukey's and Dunnett's multiple comparisons procedures in imbalanced one-way ANOVA", Journal of the Japanese Society of Computational Statistics 1, pp.111-122, 1988.
  • 森 敏昭, 吉田 寿夫, "心理学のためのデータ解析テクニカルブック", 北大路書房, 1990.
  • 永田 靖, 吉田 道弘, "統計的多重比較法の基礎", サイエンティスト社, 1997.
  • オリヴィエ・ダン, V.A.クラーク, "応用統計学―分散分析と回帰分析", 森北出版, 1975.
  • Ramon C. Littell, Rudolf J. Freund, Philip C. Spector, "SAS System for Linear Models, Third Edition", SAS Institute, 1991.
  • Shayle R. Searle, "Linear Models for Unbalanced Data", Wiley-Interscience, 2006.
  • 高橋 行雄, 芳賀 敏郎, 大橋 靖雄, "SASによる実験データの解析", 東京大学出版会, 1989.
  • 田中 豊, "パソコン実験計画法入門", 現代数学社, 1985.
  • 田中 豊, 垂水 共之, "パソコン統計解析ハンドブック 3 実験計画法編", 共立出版, 1986.
  • 田中 豊, 脇本 和昌, 垂水 共之, "パソコン統計解析ハンドブック 5 多変量分散分析・線形モデル編", 共立出版, 1989.
  • 山内 光哉, "心理・教育のための分散分析と多重比較―エクセル・SPSS解説付き", サイエンス社, 2008.
  • "SAS/STATTM ユーザーズガイド Release 6.03 Edition", SAS出版局, 1992.

データの上限

目的変数固定因子固定因子の水準(Lk水準の組合せデータサイズ
10変数 7因子 250水準 Π(Lk+1)≦5,000 nΠ(Lk+1)≦1,600万

※ nはデータ総数、Πは積記号です。

出力内容

項目 説明
基本統計量 各水準のサンプルサイズ、平均値、標準偏差(SD)、平均値-標準偏差(SD)、平均値+標準偏差(SD)、標準誤差(SE)、平均値-標準誤差(SE)、平均値+標準誤差(SE)。
各水準の平均値グラフ 各水準ごとに平均値+標準偏差(SD)、平均値+標準誤差(SE)、平均値、平均値-標準誤差(SE)、平均値-標準偏差(SD)を高位線で結んだグラフ。高位線の間で重なりが少ないほど水準間に差があることを示します。
分散共分散行列の等質性の検定(BoxのM検定) 各水準組み合わせにおける目的変数の分散共分散行列の等質性を検定します。帰無仮説は「全ての水準組み合わせで分散共分散行列は等しい」です。
等分散性の検定 バートレット検定(一元配置分散分析の場合)とルビーン検定を行った結果。帰無仮説は「標本間因子の全ての水準で母分散は等しい」です。
分散分析表 「モデル」タブにおいて指定したモデルの偏差平方和、およびF検定の結果
多重比較 指定した因子の水準間の平均値差について指定した手法により多重比較を行った結果
最小二乗平均 LSMEAN 各主効果および交互作用の各水準の平均値、標準誤差、95%信頼区間を出力。データの繰り返しに不揃いがある場合にそれを調整した標準誤差と95%信頼区間が出力されます。単純主効果の検定出力時のみ。
単純主効果の検定 2因子の組み合わせによる各水準の平均値表とその折れ線グラフ、単純主効果の検定の結果。「単純主効果の多重比較」で手法にチェックを入れた場合はその結果も出力。

出力内容とモデル

上記の各出力内容は、指定されたモデルによっては出力できない場合があ ります。こちらの表は本製品の対応状況となります。

項目 対応
基本統計量 すべてのモデルで出力します。
各水準の平均値グラフ すべてのモデルで出力します。
分散共分散行列の等質性の検定(BoxのM検定) データが3件以上の水準組み合わせがない場合は出力できません。
等分散性の検定(バートレット) 分散のない水準組み合わせがある場合は出力できません。
等分散性の検定(ルビーン) すべての水準組み合わせでデータの繰り返しがない場合は出力できません。

Type1またはType2平方和を指定した場合

多変量検定 すべてのモデルで出力します。
分散分析表 すべてのモデルで出力します。
多重比較 すべてのモデルで出力します。
最小二乗平均 LSMEAN データのない水準組み合わせがある場合は出力できません。
単純主効果の検定 データのない水準組み合わせがある場合は出力できません。

Type3平方和を指定した場合

多変量検定
分散分析表
多重比較
最小二乗平均 LSMEAN
単純主効果の検定
  • モデル内の要因が各次元でそろっていない場合は出力できません。(例:A B C AB AC ABC)
  • モデル内で最も高次の要因がn次のとき、1〜n-1次の要因がそろっていない場合は出力できません。(例:A B C ABC)
  • データのない水準組み合わせがある場合は出力できません。

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